近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

千の夜に 花いちもんぺ

「八之助さん」


後ろを振りむくと 千夜子ちゃんが手を振っていた


「あ 千夜子ちゃん」


千夜子ちゃんは山の麓に住んでいる歌好きの女性だ


「カッパさん いないみたいですね」


「そう いないみたいなんだ 温泉に行かないかと誘いに来たんだが」


「温泉?」


「そう 蔵王に行こうと思って」


「今から」


「そう 今から 泊まりがけになりそうだな」


「ほんと 八之助さんって 自由な人   風みたい


  八之助さん また今度 異国の言葉を教えてくださいな」



「OK」


「OK?」


「OK 分かりました 大丈夫ですよって事ですよ」


「・・・ O K  では ごきげんよう」


「ハ ハ ハ ごきげんよう」



千夜子ちゃんはこの地域のアイドル的女性である