近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

晴れ

「ぷっ は~ 5 五 飛車」


「くぅ~ 厳しいとこ きますでござるな」


「当然だろ」



「聞きましたか 週末 山寺で俳句のワークショップがあるらしいでござる
 江戸から有名な俳人が来るらしいでござるよ」


「江戸から 俳句か~ カッパ 一句読んでみろ」


「こんなのはいかがでござるか
 月見打ち 人間の心 我知るよしもなし」


「それ 俳句になってるのか!?」


「五 七 五  月見打ち 人間の心 我知るよ なってないでござるな
 八之助さん お手本を頼むでござるよ」


「・・・人生は コツコツ歩む 歩の如し
 2 三 歩 成り」


「くぅ~ 厳しいとこ きますでござるな」


「当然だろ 
 今週は楽市楽座も無いし 久しぶりに山寺に行ってみるか」


「山寺の玉コンは最高でござるからな」

吾輩は織田八之助である

この男 織田八之助 世は江戸時代末期 みちのくは奥州 出羽の国 天童 
歳など分からぬ時代だが、程よく生きてきた 梵暮ら男の話である