近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

梵踊りの巻

「あの明かりが祭り場のようだな」


「結構な人でござるな」



花小路神社の境内では420人程はいるであろう人々達が音楽に合わせて梵踊りを踊っている


「あそこにいるのは マニラ帰りの皆さんだ


 あそこにいるのは ミートアップルのバターさんだし


 フルスモークの方達も来ているな」



「八之助さんは知り合いが多いでござるな」


「昔 結構来てたからな


   音楽や踊りも梵が示すJAHガイダンスなんだ」


「JAHガイダンスでござるか?」


「そうだ 今夜 猿乃助と旅に出れたのもJAHガイダンスなんだよ


         一服いくか?」


「そうでござるな 一服  でござる」



ぷっは~ 


     プッハー



月明かりは 梵の煙を薄めに透かし 梵の煙は月を薄めに透かした



「今宵の月 綺麗でござるな」


「だな 月明かり 梵と平和が 踊り出す その先に見える希望に 音魂になりけり」



「梵 俳句 将棋 平和 月明かり 音楽 踊り  旅って凄いでござるな」


「旅 それは 心なんだよ」


「こころでござるか」


「そうだ こころだ」




「あの行列は何を並んでるでござるか?」


「あれはギターに並んでいる行列だ 


 義理義理男組は出羽で唯一ギターを持っている音楽隊だ


義理義理男組の奏でるMUDの中で順番にギターを弾かせてもらえる祭りなんだよ


ギターは太陽や月の明かりを循環させ音に拡張させるんだが


あの装置は未来的で 未来から持って来たって噂もあるぐらいなんだ


義理義理男組は黙々とトランスを生み出す PPMが420に達した頃 何かが起こるって噂もある」



「なんか凄いござるな」


「まぁ~な 
  難しい話は後にしてと 
    皆 梵踊りを楽しんでるじゃないか 


猿乃助も踊って来いよ  俺はギターに並ぶから」


「はいでござる HIでござる」



猿乃助は 軽快にONEステップTWOステップしながら 老若男女の奏でるグルーブの輪に溶け込んで行った