近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

路上の格闘技

「ちょっと 待ちんなまし この辺じゃ見かけね~顔だな」


「ほっといておくなまし 名も無き旅人でござんすよ」


「・・・おぬし 薩摩の男か」


「・・・それが どうか いたしましたか たとえば おいどんが薩摩者だとしたら」


「聞き捨てならん ここは武士の情け 将棋で勝負をつけようぞ」


「うけてたつ ばってんが」



この時代 路上での喧嘩は将棋が一般的だった



「7 六 歩」


「そうきたか 薩摩者よ  3 四 歩」


「フッ 受けてたつごわす」



突如 路上で始まる命をかけた1局にプライドをかけた男達の時代でもある