近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

猿+八

八之助と猿乃助は 夕暮れ時の奥州街道を歩いていた


「八之助さんはどうして 猿の私を好意的に誘ってくれるでござるか?」


「・・・名前が似てるからな」


八之助は江戸ジョークを好んでいた


「それだけでござるか?」


「まぁ 第一に梵好き 第二に温泉好き 第三に将棋好き 第四に蕎麦好き 共通の好きなものがあるからな カッパもそうだか 見ためなんて気にするなかれだ」


八之助は懐から梵巻きを一本取り出して火をつけた


深く 奥底に 梵を溜め込み 猿乃助にも渡した


「 ぷっ は~」 「ぷっ は~」


「そうだ 漆山まで 俳句でも作りながら行こう 俳句と梵も相性は良いからな」