近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

千手必勝

「八之助さん」


後ろを振りむくと 千夜子ちゃんが手を振っていた


「あ 千夜子ちゃん」

穴熊突破口

チュンチュンチュン


作業部屋の窓から小鳥の囀りが聞えてくる清々しい空気漂う一時




駒制作の材料 漆がそろそろ切れそうだな


漆山に行くなら 久しぶりに温泉に行きたいところだ


カッパと猿乃助を誘ってみるか



漆山町までは 7マイル程の距離だ



八之助は 風呂敷にゴザと梵と将棋駒と蜜ロウを包み 麻袋に入れて家を出た




家の裏 山の東側のカッパがよくいる愛宕沼に立ち寄ってみる



静けさと風通る水面に呼びかけた



「カッパ おるか~?


 カッパ おるか~?」




・・・  シーン 

イマジネーションブルース

知るとは想う事なり 願うとは知る事なりけり



八之助は時として思う 地球は丸いらしい 


では なぜ 人は落ちぬのかと


時として考える 宇宙とはと


八之助は知っていた


この町以外にも町がある事を


海があり 違う大地がある事を



武士として思う


見果てぬ地 アメリカーノ ヨロッパーノ パレスチナーノ


などという地にも 和平が訪れる事を 心して願うなりけり



八之助は 武士道 仏教をベースに 独自の考えを持っていた


「ぷっ は~  俺は先輩武士をもちろんリスペクトしているが


 和平を願う武士道が世の中を変えれるんじゃないかと思もうんだ


 5 三 飛車 成」


「く~ 厳しいでござるな  


 八之助さんの考えはもっと 多くの人に聴いてもらいたいでござるな」


「カッパ 俺は武士であり 駒も作らねばならぬ


 サムライをやめて禅の旅に行けというのは あまりにもかぶいているぞ


 カッパ 王手だぞ」


「く~ 三枚取りでござるか」


「だな」


トルクカルマ

ドォ ドォ ドォ ドォ ドォ


ドォ ドォ ドォ ドォ ドォ


ドォ ドォ ドォ ドォ ドォ



「ばんさんや また 聞えるな」


「そうだなや じいさんや 面白山の方から聞えるだにゃや」



バナナマン

「八之助さん 今日 BNNありますよ」


「お~ 英男 」


八之助は英男の肩を叩いた


「BNNか~ 梵とBNNは相性いいからな


 重広さんはBNNいくんでしたっけ?」


「BNN?」


「英男が作ったバナナを乾燥させてやつですよ


 きのこみたいな飛びです」


「あ~ 幻覚系ですか 浮世絵と合いそうだな 軽く頂こうかな」


「はい」


八之助は重広に BNNを半分渡し残りを自分でほうばった



八之助 重広 英男も 太鼓を持ち太鼓の輪に加わった



トン ド ド  トン ド ド


トン ド ド  トン ド ド




太鼓と笛の音色が 微かに響く月明かりの麓 今宵の天楽 良き音なり♪