近未来将棋小説 紅に王手

織田八之助が江戸時代と現代を駆け抜ける梵暮ら物語り

漆ジョイント

「漆の匂いが漂う町に ルンルンルン」


「あそこが麻倉漆店だ ハッハッハ サイケに彩ってる~」


漆喰の白壁にロウソクランプがゆらゆら揺れている


トン トン トトトン トン トン トン


「いらっしゃい~」


建物の中から聞えた声は店主の麻倉ヒロ☆ポン之助の声だ


「お 八之助さんじゃないですか 久しぶりですね~」


「そうだな 数ヶ月ぶりだな  こちら 猿乃助さん こちら ヒロ☆ポンさんだ」


「どうも 初めまして」


「こちらこそ 初めまして 天童からわざわざありがとうございます」



「なんだ ずいぶん 香ばしい香りがするな」


「ハッハッハ  一服してたとこですよ どうですか?」


「いいね~ 久しぶりに  ヒロ☆ポンのジョイントは最高だからな」


「漆屋の特権ですよ」


「ヒロ☆ポンのジョイントは 梵に漆を混ぜるんだ 新鮮な漆じゃないと出来ないから 貴重品なんだ」


「へ~ 凄いですね どんな 感じなんですか?」


「・・・ 星が何千個と輝く中で 君の叫び 届け候 てな 感じ まず 一服行こうぜよ」



プッ ハー ぷっ は~  ぷっ ハー



梵の香り 漆の香り その中に見える 希望の香りの中で


3人は時間を忘れ 時の話 将棋の話 和平の話を 将棋を指しながら楽しんだ。